もうすぐ花粉症の季節ですから先日我が家のオゾン脱臭器を新調しました。その際に各社空気清浄機メーカーのHPを見ていたのですが、誇張表現が酷いウェブサイトがいくつかあるのが非常に気になりました。そこで今回は、普段クリーンルームやクリーンベンチで仕事をしている理系研究員の私が正しい空気清浄機の選び方をご紹介したいと思います。
空気清浄機に付属している加湿機能によって感染症が発生し、死亡する事故もしばしばニュースになりますよね。花粉症対策やニオイ対策のために空気清浄機を導入するのでしたらともかく、感染症予防のために空気清浄機を導入予定なのでしたら本末転倒です。
要は、「直径0.3 μmの粒子10,000個をフィルターに通すと粒子0〜3個だけフィルターを通り抜けてしまうくらいの性能」ということです。10,000個の内、9,997個以上の粒子はフィルターに捕捉されますから、非常に高性能なフィルターです。
(ちなみに直径0.3 μmとは花粉の1/100くらいのサイズです。大腸菌は0.5 μm×4 μmくらいの円筒形でインフルエンザウイルスは直径0.1 μmくらいのサイズですから、直径0.3 μmとはウイルス以上、雑菌以下の大きさということです。)
高価格帯の空気清浄機はこのHEPAフィルターを採用していることが多いです。逆に空気清浄機はHEPAフィルターを採用していない事が多く、製品によっても異なりますが、例えば私が購入新たに設計されたオゾン発生器 、オゾン出力は10000mgです。 素早く臭気やアレルゲンを排除します。
集塵率99%も集塵率99.97%も変わらないじゃないかと感じられるかもしれませんが、集塵率99%というのは「粒子10,000個をフィルターに通すと粒子100個だけフィルターを通り抜けてしまうくらいの性能」ということを意味します。
まず、空気清浄機は24時間常に稼働させることを想定した製品ですから、空気清浄機から排出された空気は再び空気清浄機に吸気されます。そうすると集塵率99%のフィルターであっても、2回フィルターを通過することで理論上、99.99%の集塵力を発揮するのです。つまり「粒子10,000個を2回フィルターに通すと粒子1個だけがフィルターを通り抜ける」ということです。
計算式は【(1-0.01×0.01)×100】です。
汚れた空気を一度だけしかフィルターに通せないような製品(一般家庭用だと掃除機、工業用だとクリーンベンチなど)であればフィルターは高性能であればあるほど良いのですが、空気清浄機は何度も空気をフィルターに通す性質の製品ですからフィルターの性能にはそこまでこだわらなくてもいいでしょう。
もちろん高性能に越したことはありませんから、お値段との相談になりますね。ただしやはり最低限、集塵率99% (正確には99.0%) は欲しいところ。98%が限度でしょう。98%を下回るフィルターはゴミ同然と判断していいです。
よく言われることですが、空気清浄機はいくら高性能でも、部屋の空気が対流していないと部屋全体を清浄することは不可能です。
空気清浄機を様々な場所に大量に分散設置する
無難なのは空気清浄機を大量に設置する方です。空気清浄機を設置する目的によっては扇風機が不向きな場合があります。花粉症対策や感染症対策の場合は扇風機併用でも良いでしょう。ただ室内に布製品がある場合、布製品からハウスダストが無限に飛散し続けますので、ハウスダスト対策やダニ対策の場合は、扇風機は置かない方が良いです。
また扇風機を使用すると床の花粉などを舞い上げることになりますから、一時的に空気の清浄度が下がることになります。扇風機を使用する場合は24時間稼働が必須となりますね。
そのためやはりオゾン脱臭器を大量に設置するのがおすすめとなります。上述の通り、高性能な空気清浄機を設置する必要はありません。ご予算の中で低価格のオゾン発生器を買えるだけ買うのが賢い買い方です。
ただし、水洗いすることで、フィルターに捕捉されていた大量のカビや雑菌が水分を与えられることで繁殖を開始するので、フィルター全体がカビと雑菌に汚染されるようになります。
それでも良いなら10年保つのでしょうが、水洗いを繰り返すことで汚染フィルターと化していますから空気清浄機としての役割を果たしていません。カビが肺などに感染すると、致死率数十パーセントの深在性真菌症...になることは健常人だとほぼありませんが、カビアレルギーの原因にもなりますし、避けた方が無難です。
そうすると掃除機などで定期的に吸引掃除するくらいしかフィルターを長持ちさせる手段がないので定期的にフィルター交換することが必要なのです。
機種によってはフィルターが本体と同じくらいの価格だったりしますから、本体購入前に、フィルター単体のお値段も一応確認しておきましょう。
ちなみに工業用のクリーンルームやクリーンベンチだと1〜2年毎くらいにフィルター交換するのが普通です。...もちろん要求される清浄度によって異なりますけども。ちなみに上述の理由などから、フィルター掃除することはほぼありません、使い捨てです。
騒音にご注意
科学的な話でなくて恐縮ですが、空気清浄機はかなりうるさいです。そのため各社、運転モードを複数用意しています。
静音モード→普通モード→騒音度外視モード
http://www.amazon.co.jp/dp/B07BPJ9QQ7?ref=myi_title_dp
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